2005年12月12日
なんじゃこりゃ食堂
先日、水餃子が有名な食堂で食事をしたが、その店のドアを開けた瞬間、引いてしまった。雑然としている。「あ、間違いました〜」ときびすを返そうかなと思った。しかし、ここは妻がガイドブックで検討し、行きたいと言った店なので、このまま帰ってしまうと夫婦間に亀裂が入りかねない。意を決して店内に足を踏み入れた。
我々が入ると、カウンター席に座ってテレビを見ていた店主とおぼしき男性が振り返って、くわえたままのタバコを上下に動かした。読唇術はできないが、多分「いらっしゃい」と言っているのだろう。カウンター内にいる若い女性は無表情のまま、かろうじて聞こえるくらいの声量で「いらっしゃいませ」と言った。
2人掛けのテーブルが2台、4人掛けが1台、カウンターに丸椅子が9脚だけの小さな店なのに、店内の掃除が全く行き届いていない。壁に貼られたポスターは油とそれに固められた埃で汚れている。カウンターの上にはスポーツ新聞や雑誌が散らかっている。床には段ボールが積み上げられている。カウンターがベタベタしている。食欲が一気に減退した。
カウンター席についてから横目でチラッと妻を見た。妻は意地っ張りなので、口には出さないが、顔が強ばっている。ドン引きなのは明らかである。もし、私がこの店に行きたいと言っていたならば、怒り心頭に発した妻のジーグイ攻撃を浴びていたであろう。私は小汚い食堂が好きで、妻と一緒の時でもそのような店に入りたがるのだが、妻はその都度「1人の時に行ってー。私は絶対いやだ」と頑なに抵抗する。私の許容範囲を遥かに超えて汚いこの店に妻が腰掛けているのは奇跡に近い。
さて、このように不潔極まりない店でも味がよければプラマイゼロになるのだが、注文した料理はいずれもフツーかそれ以下である。しかも、ネェネェがコップに立てられたスプーンを料理に添える時、手に持つ方ではなく、口に入る方をつまむのである。スプーンをつまむ前にネェネェが手を洗っていないのが、カウンター席から丸見えなのである。あー、いやだ、いやだ。プラスチック製の食器がこんな気分に追い討ちをかける。
それでも食事中は何とか妻のテンションを上げようと、セロリ炒め(600円)を食べる時には「おぉ、セロリがシャキシャキしてて、おいしいなー(実はしょっぱいし、火を通し過ぎ)」と言い、以下同様に、炒飯(500円)…「ごま油の風味がいーねー(注文した中で最悪。自分で作った方がうまい)」、腸詰(700円)…「懐かしい味がするなー(味が薄い。香辛料をケチっているのか?)」、水餃子(500円)…「さすが看板メニュー!(ごくフツー)」、ココナッツミルク入り饅頭(100円)…「ホクホクしてて、いーねー(ありきたり)」と料理を誉めまくったが、妻はほとんどこれらに反応しない。しかし、店を一歩出た途端、妻が( )内とほぼ同じ感想を述べるので、私も「だっからよー」と応じた。「なんでー、結構おいしい、おいしいって食べてたさ」「俺は大人だのに」。妻がプッと噴き出した。ま、小さいながらも笑いを取れたから良しとしよう。
帰宅後、改めてガイドブックを読み返した。くわえタバコの男性はやはり店主で、何やら偉そうなことをおっしゃっているが、まず店内を清潔に保ってほしい。店全体が油膜に覆われていても平気なこと、下ごしらえをネェネェだけにやらせていること、くわえタバコのまま客の座るべき席でふんぞり返ってテレビを見ている態度。これら全ては自分の仕事に誇りを持つ人のすることではない。そのような人の作る料理がおいしいわけがない。
私が編集者なら「カウンターがベタベタしていない食堂」とか「店主が威張っていない寿司屋」、「スタッフが馴れなれしくないカフェ」、「店内アメリカー濃度は高いけど、ウチナーンチュを冷遇しない中部のレストラン」などといったガイドブックを出したい。このアイディアを買いませんか>チャイルドフッド様。
我々が入ると、カウンター席に座ってテレビを見ていた店主とおぼしき男性が振り返って、くわえたままのタバコを上下に動かした。読唇術はできないが、多分「いらっしゃい」と言っているのだろう。カウンター内にいる若い女性は無表情のまま、かろうじて聞こえるくらいの声量で「いらっしゃいませ」と言った。
2人掛けのテーブルが2台、4人掛けが1台、カウンターに丸椅子が9脚だけの小さな店なのに、店内の掃除が全く行き届いていない。壁に貼られたポスターは油とそれに固められた埃で汚れている。カウンターの上にはスポーツ新聞や雑誌が散らかっている。床には段ボールが積み上げられている。カウンターがベタベタしている。食欲が一気に減退した。
カウンター席についてから横目でチラッと妻を見た。妻は意地っ張りなので、口には出さないが、顔が強ばっている。ドン引きなのは明らかである。もし、私がこの店に行きたいと言っていたならば、怒り心頭に発した妻のジーグイ攻撃を浴びていたであろう。私は小汚い食堂が好きで、妻と一緒の時でもそのような店に入りたがるのだが、妻はその都度「1人の時に行ってー。私は絶対いやだ」と頑なに抵抗する。私の許容範囲を遥かに超えて汚いこの店に妻が腰掛けているのは奇跡に近い。
さて、このように不潔極まりない店でも味がよければプラマイゼロになるのだが、注文した料理はいずれもフツーかそれ以下である。しかも、ネェネェがコップに立てられたスプーンを料理に添える時、手に持つ方ではなく、口に入る方をつまむのである。スプーンをつまむ前にネェネェが手を洗っていないのが、カウンター席から丸見えなのである。あー、いやだ、いやだ。プラスチック製の食器がこんな気分に追い討ちをかける。
それでも食事中は何とか妻のテンションを上げようと、セロリ炒め(600円)を食べる時には「おぉ、セロリがシャキシャキしてて、おいしいなー(実はしょっぱいし、火を通し過ぎ)」と言い、以下同様に、炒飯(500円)…「ごま油の風味がいーねー(注文した中で最悪。自分で作った方がうまい)」、腸詰(700円)…「懐かしい味がするなー(味が薄い。香辛料をケチっているのか?)」、水餃子(500円)…「さすが看板メニュー!(ごくフツー)」、ココナッツミルク入り饅頭(100円)…「ホクホクしてて、いーねー(ありきたり)」と料理を誉めまくったが、妻はほとんどこれらに反応しない。しかし、店を一歩出た途端、妻が( )内とほぼ同じ感想を述べるので、私も「だっからよー」と応じた。「なんでー、結構おいしい、おいしいって食べてたさ」「俺は大人だのに」。妻がプッと噴き出した。ま、小さいながらも笑いを取れたから良しとしよう。
帰宅後、改めてガイドブックを読み返した。くわえタバコの男性はやはり店主で、何やら偉そうなことをおっしゃっているが、まず店内を清潔に保ってほしい。店全体が油膜に覆われていても平気なこと、下ごしらえをネェネェだけにやらせていること、くわえタバコのまま客の座るべき席でふんぞり返ってテレビを見ている態度。これら全ては自分の仕事に誇りを持つ人のすることではない。そのような人の作る料理がおいしいわけがない。
私が編集者なら「カウンターがベタベタしていない食堂」とか「店主が威張っていない寿司屋」、「スタッフが馴れなれしくないカフェ」、「店内アメリカー濃度は高いけど、ウチナーンチュを冷遇しない中部のレストラン」などといったガイドブックを出したい。このアイディアを買いませんか>チャイルドフッド様。
Posted by 百紫苑(hakushon) at 17:17│Comments(2)
│ぶらぶら
この記事へのコメント
すごい食堂に入っちゃいましたねぇ。。。。
一応それでもガイドブックに載ってるっていうのもどうかと・・・・。
載せる前に却下とかならなかったんですかね?
↑最後のガイドブックのアイディア面白いです^^。
一応それでもガイドブックに載ってるっていうのもどうかと・・・・。
載せる前に却下とかならなかったんですかね?
↑最後のガイドブックのアイディア面白いです^^。
Posted by ピーチ at 2005年12月13日 05:54
コメント有難うございます。
抜き打ち取材というのは難しいでしょうし、記者が身銭を切って食事をすることはまずないでしょうから、まーさむん情報はガイドブックよりも口コミ(ブログも含む)の方が遥かに信用できます。
ガイドブックには「なんじゃこりゃ食堂」の店内写真も掲載されていましたが、カウンターの上は整理整頓されていますし、写真が小さすぎて油汚れは判別できませんでした。
ピーチさんが住んでらっしゃるアメリカなら、訴訟沙汰になってもおかしくないと思います。
抜き打ち取材というのは難しいでしょうし、記者が身銭を切って食事をすることはまずないでしょうから、まーさむん情報はガイドブックよりも口コミ(ブログも含む)の方が遥かに信用できます。
ガイドブックには「なんじゃこりゃ食堂」の店内写真も掲載されていましたが、カウンターの上は整理整頓されていますし、写真が小さすぎて油汚れは判別できませんでした。
ピーチさんが住んでらっしゃるアメリカなら、訴訟沙汰になってもおかしくないと思います。
Posted by 百紫苑(hakushon) at 2005年12月13日 17:36