よーんなー沖縄

水原(スウォン)市内に入っても何を食べるかがまだ決まってなかった。私は犬を諦めたが、他に思いつかない。とにかく地元の人が大半を占める食堂に入りたかったが、ガイドのキムさんは「ソウルならわかるんですけど、水原はちょっと…」と頼りない。妻が「参鶏湯(サムゲタン)にする？」と私に訊いたのをキムさんは聞き逃さなかった。「参鶏湯にしましょう」と言ってしばらくしてから、路上駐車した。「ちょっと待ってて下さい」と言い残してキムさんが向かったのは、観光案内所だった。私は慌ててキムさんを追いかけて「参鶏湯じゃなくてもいいですよ」と言った。それでも誠実なキムさんは客の要望に応えるべく観光案内所で参鶏湯のおいしい店を教えてもらった。「うーん、参鶏湯で有名なお店は2、3カ所しかないようですし、残念ながら私はそこへ行ったことがありません。探すのに時間がかかりますが、お腹空いていませんか？」「参鶏湯の店はホテルの近くにたくさんあったので、夜食べますよ。キムさんの知っている店に行きましょう」。キムさんはホッとした様子で「水原はカルビが有名です。カルビタンを食べに行きましょう」と言った。

12:47レストラン着。観光客と地元客が半々くらいか。カルビタン(7,000ウォン≒600円)を食べた。うまい。本当は丼を持ってスープを飲み干したかったけれど、食事の時に器を持ち上げるのは韓国ではマナー違反らしいので、グッとこらえた。スプーンでせわしなくスープをすくって飲んでいるとキムさんが「無理して全部食べなくてもいいですよ」と言う。韓国では食事を多めに出すのが普通だそうだ。それを全部食べてしまうと「足りなかった」という厭味に取られかねないので、残しても全然構わないという。これを聞いて安心した。実は昨日の夕食でキムチその他を大量に残してしまったからだ。そしてここでも山盛キムチを平らげるのはちょっと不可能だなと恐れていた。それでもカルビタンだけは何としてでも飲み干したかったが、これから華城行宮と韓国民俗村へ行かなければならない。16:00ホテル着なのでそうそうゆっくりもしていられない。おいしいおいしいカルビタンに未練を残しつつレストランを出た。