2006年04月17日
4月の第3日曜日は「もずくの日」
ということで、昨日は「もずくの日」だった。国内で生産されるもずくの95%は沖縄産だとテレビで言っていたが、私が初めてもずくを食べたのは忘れもしない19の夏、つぼ八歌舞伎町店でのことだった。熊本生まれの友人が「もずく酢」を注文した時に「もずくて何や」と訊いたら、「おまえは沖縄生まれのくせに、もずくば知らんとや」と呆れられた。「もずくて沖縄で採れるとや………ところで、もずくて何や」と重ねて訊くと、「海藻たい、海藻」と友人は何故か逆ギレ気味に答えた。
もずく酢が出てきた。「ほら、見たことあるやろ」と友人は言ったが、三杯酢の中でゆらゆら揺れるもずくを見るのは初めてだった。食べてみたけれど、特に味はしなかった。友人は「細か秋田のもずくは高か。これは太かけん沖縄産やろ」とか言いながら、もずくをチュルチュルすすった。
初めてもずくを食べてから約2年半後、魚屋でバイトを始めた。ある日、築地から帰ってきた仕入のトラックに一斗缶が積まれていた。これは何だろうと、箱に貼られた紙を見たら「沖縄産もずく」と書かれていた。石垣島内の漁協名も書かれてあったが、もう忘れてしまった。石垣島から遙々武蔵野市にたどり着いた一斗缶は思いのほか重く、両手で持ち上げないと荷台から下ろせなかった。一斗缶に掛けられていたひもを解き、蓋を開けてギョッとした。ギューギュー詰めのもずくが濡れて絡み合う髪の毛、それも手入れのされていない髪の毛に見えたからだ。
私が働いていた魚屋ではバイトを含む従業員全員で夕食を取ることになっていた。その日の晩、夕食の席にもずくが出た。私はつぼ八で食べたもずくとは違い、磯の香りがしてなかなかうまいと思ったのだが、魚屋のおっさんたちは「やっぱ、沖縄のもずくはいまいちだな」と口々に言った。今振り返ると、私が魚屋でバイトしていた2年半の間、もずくを仕入れたのはこの日だけだったから、おっさんたちはその善し悪しを語るほどもずくを知り尽くしているはずもないのに変な話だ。最近になって「沖縄産もずくにはフコダインが豊富に含まれている」と言われるようになった。あのおっさんたちもみんな五十路を越えたから、今頃は沖縄のもずくを有難がって食べているかも知れない。
私のもずくに対するスタンスは「出されたら食べるけど、好んでは食べない」といったもので、これからも変わることはないだろう。でも、テレビで見た石垣の「もずくの日」イベントでやっていた「流しそうめん」ならぬ「流しもずく」は食べてみたいと思った。「もずくの日」とITUトライアスロンワールドカップ石垣島大会が重なっても、ホテルは空いているだろうか。宮古ではもずく酢にニンニクを入れるけど、石垣ではどうだろう。でも、「流しもずく」を食べにわざわざ石垣へ行くほどの余裕はない。来年、沖縄本島内の「もずくの日」イベントで「流しもずく」をやってくれないかな。
もずく酢が出てきた。「ほら、見たことあるやろ」と友人は言ったが、三杯酢の中でゆらゆら揺れるもずくを見るのは初めてだった。食べてみたけれど、特に味はしなかった。友人は「細か秋田のもずくは高か。これは太かけん沖縄産やろ」とか言いながら、もずくをチュルチュルすすった。
初めてもずくを食べてから約2年半後、魚屋でバイトを始めた。ある日、築地から帰ってきた仕入のトラックに一斗缶が積まれていた。これは何だろうと、箱に貼られた紙を見たら「沖縄産もずく」と書かれていた。石垣島内の漁協名も書かれてあったが、もう忘れてしまった。石垣島から遙々武蔵野市にたどり着いた一斗缶は思いのほか重く、両手で持ち上げないと荷台から下ろせなかった。一斗缶に掛けられていたひもを解き、蓋を開けてギョッとした。ギューギュー詰めのもずくが濡れて絡み合う髪の毛、それも手入れのされていない髪の毛に見えたからだ。
私が働いていた魚屋ではバイトを含む従業員全員で夕食を取ることになっていた。その日の晩、夕食の席にもずくが出た。私はつぼ八で食べたもずくとは違い、磯の香りがしてなかなかうまいと思ったのだが、魚屋のおっさんたちは「やっぱ、沖縄のもずくはいまいちだな」と口々に言った。今振り返ると、私が魚屋でバイトしていた2年半の間、もずくを仕入れたのはこの日だけだったから、おっさんたちはその善し悪しを語るほどもずくを知り尽くしているはずもないのに変な話だ。最近になって「沖縄産もずくにはフコダインが豊富に含まれている」と言われるようになった。あのおっさんたちもみんな五十路を越えたから、今頃は沖縄のもずくを有難がって食べているかも知れない。
私のもずくに対するスタンスは「出されたら食べるけど、好んでは食べない」といったもので、これからも変わることはないだろう。でも、テレビで見た石垣の「もずくの日」イベントでやっていた「流しそうめん」ならぬ「流しもずく」は食べてみたいと思った。「もずくの日」とITUトライアスロンワールドカップ石垣島大会が重なっても、ホテルは空いているだろうか。宮古ではもずく酢にニンニクを入れるけど、石垣ではどうだろう。でも、「流しもずく」を食べにわざわざ石垣へ行くほどの余裕はない。来年、沖縄本島内の「もずくの日」イベントで「流しもずく」をやってくれないかな。
Posted by 百紫苑(hakushon) at 16:20│Comments(0)
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