2006年03月31日

八重干瀬

 今日は旧暦3月3日。浜下りの日だ。テレビでは八重干瀬上陸の様子が放映されていたが、2012年に伊良部大橋が開通して、平良港と佐良浜漁港を結ぶ船舶会社が廃業したら、観光客を大量輸送できるフェリーがなくなるから、観光形態も変わるだろう。それとも定着した八重干瀬観光をそのままの形態で存続させるために、どこからかフェリーをチャーターするのだろうか。

 私は10年くらい前に八重干瀬観光をしたことがある。天気は生憎の荒れ模様。フェリーに乗り込んだら客室がいっぱいで仕方なく甲板に腰を下ろしたが、船が動き出すと吹きつける雨風のせいでどんなに強く膝を抱えても体の震えが止まらなかった。

 1時間ちょっとで八重干瀬が見えてきたと思う。初めて見る八重干瀬は想像以上に広大で圧倒されたが、フェリーが近づくにつれ、八重干瀬に道ができているのがはっきりと見えた。あれは人が歩いたせいで珊瑚が壊れているのだなとわかって、上陸することができなかった。

八重干瀬 5年くらい前にカナダで氷河観光をしたことがある。雪上車で氷河の上を走り、15分くらい氷河の上に立った。観光を終えてレストハウスへ戻り、しばらく休憩したのだが、その時に近くに看板が立っているのに気づいた。そばにいたガイドにあれは何かと訊いたら、かつてはここまで氷河が達していたことを示す看板だと教えてくれた。観光地化されて以後、氷河は年々短くなっているという。

 この話を聞いた時、真っ先に脳裡に浮かんだのは踏み荒らされた八重干瀬だった。八重干瀬が私の大好きな宮古の観光の目玉となっていることは重々承知の上だが、あの痩せ細りつつある氷河を目の当たりにした者として、私は八重干瀬上陸に反対する。

 船上からでも八重干瀬の圧倒的な広さは堪能できる。2012年の伊良部大橋開通を奇貨として、八重干瀬上陸が中止になることを望む。

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Posted by 百紫苑(hakushon) at 23:31│Comments(0)独言
 
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