2006年01月24日

春よ来い

母は1944年に北陸へ疎開して、かの地の女学校に編入した。その当時の級友と一緒の写真が数多く残っている。全員セーラー服にもんぺ姿である。1人だけ日の丸に神風の鉢巻姿がいる。母は生前よく「疎開時代は大変だった」とこぼしていたが、級友と共に写真館へ赴き、あらぬ方角を向いてポーズを取る余裕はあったらしい。
今日、その中の1人から香典と鳩居堂の線香が届いた。添えられた手紙には母との思い出が綴られていた。今でも母の死が信じられないと嘆かれている。その方が大阪からの疎開組であることを初めて知った。
戦争がなければ出会うことはなかったであろう2人は友となった。母は沖縄へ帰り、その方は疎開先で伴侶を得たが、遠く離れていても互いに気遣い、励まし合っていた。
今年は例年になく雪が多いという。母に関わりのある人全てが無事に春を迎えられることを祈る。

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Posted by 百紫苑(hakushon) at 00:49│Comments(0)独言
 
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