2005年08月30日

父母共に3本足

一昨日、叔父夫婦を那覇空港で迎えて実家へ直行した。昼時になり、せっかく遠くから来たのだからとホテルで昼食をとることにした。ホテルの正面玄関で両親を降ろしたが、そこのスタッフは杖をついた老人が2人入ってきても、無反応。ただ「いらっしゃいませ」「有難うございました」と言うためだけに立ってるのか?

更に私がフロントで車椅子を1台貸してくれませんか申し出ると「ご予約はされていますか?」「していません」「うーん」。客の要望に困惑するなよ〜。「なければ結構です」「しばらくお待ち下さい」。4、5分待たされて無事借受に成功した。

最近宴会で利用した沖縄ハーバービューホテルは玄関前で両親が車を降りている間に、何も言わなくても車椅子が2台用意されていた。そして残念なことに前者よりも後者のような対応の方が稀なのだ。

母は股関節を患って20年以上になる。脚を引きずり、上体を大きく揺らしながらも気合で2足歩行を続けてきたが、寄る年波には勝てず、今月に入ってようやく杖をつくようになった。父は3年前から杖をついているが、それでも100mくらいしか歩けない。このように両親が3本足になって改めて考えさせられることが沢山ある。

例えば、車椅子用のスロープ。「この傾斜じゃ、押してもらう分にはいいが、自力での上り下りは厳しいだろう」と前々から思っていたスロープを実際に父を乗せた車椅子を押して上った時、初めて「押すのでさえきつい」とわかった。更に用事が済んでそのスロープを下りかけた時、父が肘掛けを強く握り、前に転げ落ちないだろうかと怖がっているのが痛いくらいわかったので、後ろ向きに進むしかなかった。このような「まっ、取り敢えずつけとけばいいんじゃない?スロープ」は意外に多い。せめてシートベルト付の車椅子があれば、下りの恐怖は緩和されると思う。

例えば、飲食店での対応。両親は畳の上はもちろん、掘炬燵式の和室にも座れない。そこで以上のことを説明し、テーブル席が空いているか確認すると「うちは座椅子がありますので、掘炬燵でも大丈夫ですよ」「うちの両親は座椅子があってもダメなんです」「肘掛けもついているから大丈夫ですよ」「えー、肘掛けがあってもダメなんです」「あっ、そうですか」。相手の親切を拒絶したようで、ちょっと厭な気分になる。かといって「うちの両親は畳に腰を下ろす時に前につんのめるか、後にひっくり返るかのどちらかになるんです」といちいち説明するのは気が進まない。それを説明した上で「さぁ、今日は前でしょうか?後でしょうか?どこの骨が折れるでしょうか?」と言っても、笑ってくれないだろうしなぁ。




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Posted by 百紫苑(hakushon) at 19:10│Comments(0)独言
 
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