よーんなー沖縄

今日も以前勤めていた会社の取引先から自宅へお中元が届いた。早速Ｍ社の営業課長に電話した。取らない。この人は着信を残してもコールバックがないので困る。とにかく何度もかけ続ける。取らない。

チャイムが鳴る。電話を切って玄関に出たら、またお中元だった。すぐＨ社の営業担当Ｔさんに電話をかける。「おかけになった電話番号は…」。何ぃー。他の営業マンを知らないので、渋々苦手な営業部長に電話をかけた。「あれぇ、お久し振り。どうしたんですかぁ？」「実は今日御社からお中元が届きましたので、お返ししたいのですが」「えっ？退職されたんですよね？」「えぇ、先月いっぱいでした」「あれ？Ｔからは５月いっぱいと聞きましたけど」「いろいろありまして、先月まで在籍していました」「あぁ、そうですか。じゃぁ、うちの総務に確認してから、折返し電話して宜しいですか？」「あのー、お中元が冷凍のステーキなので、今すぐお返ししたいのですが」「うーん、取敢えず折返し電話しますから」。

電話を切ってすぐ冷凍庫にステーキを入れようとしたが、箱が大き過ぎて入らない！電話をかけ直した。「度々すいません。ステーキが冷蔵庫に入らないんです」「へっ？」「ステーキが入っている発泡スチロールの箱が大き過ぎて入らないんです」「すぐには溶けないから大丈夫でしょう。今、総務に確認中ですから、もうちょっと待ってて下さい」

数分後。「いやー、実は社長が今日から海外出張中でして、連絡取れないんですよー。それで、総務の者は先月まで在職していたなら問題ないんじゃないかと言ってるんです。召し上がって下さい」「困ります」「大丈夫ですよ。食べちゃって下さい」「社長さんはいつお戻りですか？」「来週火曜日です」「………今すぐお返ししたいのですが…」「うーん、困ったなー。ここには大きな冷蔵庫がありませんし、うちは来週水曜日から旧盆休みを挟んで５連休なんですよ…」。押し問答の末、包装紙を破ってもいいとの了解を得て、うちで再来週の月曜日までステーキ８枚を冷凍保存することになった。

さて、次はＭ社の件を片づけなければ。何度か営業課長に電話をかけても、相変わらず取らないし、電話もかかってこない。それで、Ｍ社に電話した。「あのー」「あー、お久し振りですぅ。わたし誰だかわかりますかぁ？」「Ｋさん」「きゃー、嬉しいー。忘れられたかと思ってましたぁ。わたしに黙って会社辞めるなんてひどいじゃないですかぁ」「えーっと、その件で電話したんですけど、今日御社からお中元が届きまして」「あっ、その伝票書いたのわたしです」「うん？」「お中元リストに名前があったから、わたしが宅急便の伝票書いたんです」「辞めたの知ってて？」「うちの社長も知ってるから、いいんじゃないんですか？」「それはダメでしょう」「いいと思いますけど。社長に替わりますか？」「えっ!?ちょっと待って！」。保留数秒。「いやー、どーも、どーも。元気かね？ウィッ、ヒッ、ヒッ」。Ｍ社の社長だ…。

「もらいなさい、もらいなさい。遠慮しないでもらいなさい。ウィッ、ヒッ、ヒッ。でも、お歳暮は期待しないでよー、うちもそんな余裕はないよー。ウィッ、ヒッ、ヒッ。とか言って、その頃までこの会社あるかねー。ウィッ、ヒッ、ヒッ」。今日も一方的な「ウィッ、ヒッ、ヒッ攻撃」に敗れてしまった。有難くカルピスの詰合わせを頂戴します。