2005年08月10日

世界陸上

私は陸上競技の経験はありませんが、観るのは大好きです。高3の時、寮で同じ部屋だった同級生のH君が県内トップレベルのスプリンターで、何度か彼を応援に行きました。ちなみに彼はダブっていたので、高校のユニフォームを着て成年の部に出場していました。

陸上競技場ではフィールドとトラックで何かしら競技が行われていて、全く飽きることがありません。私は中でもわざわざトラックに水壕を作ってレースをする3000m障害が好きです。終盤ヘロヘロになった選手がよっこらしょとハードルに上り、ドボンと水壕に飛び込む姿には破れかぶれの哀愁が漂っています。またハンマー投げも県大会レベルでは後にハンマー飛んだり、地面すれすれに飛んだハンマーがフィールドに轍を残してめり込んだりと、オリンピックや世界陸上にはないスリルが味わえます。

高校卒業後、共に上京したH君と私は同じ西武新宿線沿線に住んでいたこともあり、交流が続きました。彼のアパートには陸上競技関係の雑誌や本がズラリと並んでいましたが、それは並んでいるだけではありません。例えば「女子100mの阿萬亜里沙は可愛かっぞ」という話になった時、彼は本棚から1冊の「陸上競技マガジン」をすっと抜き取り阿萬亜里沙の写真を見せてくれます。そう、何年の何月号にどの記事が載っているのかを彼は記憶しているのです。

そんなH君のお陰で私は1970年代から80年代初めの陸上競技、中でもトラック種目にかなり詳しくなりました。イギリスの2012年五輪招致委員長のセバスチャン・コー氏をテレビで見た時、思わず「おぉ〜、モスクワオリンピック1500m金メダリストのセバスチャン・コーだ!」と声を上げて、妻を驚かせました。「あなたって、もしかして陸上オタク?」「(聞こえない振り)ライバルのスティーブ・オベットは何してんのかなー?………(若き日の思い出に浸る)」

H君とはマラソンを一緒に見に行ったこともありますが、彼に「東京国際マラソンを見に行こう」と誘われた時は少し迷いました。当時H君は早稲田大学の学生でしたが、私は高田馬場駅に「右は早大、左は早予」と広告を出している早稲田予備校に通っていて、受験直前だったからです。先程調べたら第2回東京国際マラソンは1982年1月31日に開催されています。最初の入試まで残り1週間前後です。そんな時期にも拘わらず一緒にマラソンを見に行ったのは、H君から陸上の話を聞くのが好きだったからです。

大会当日の朝刊に各地点の予想通過時刻が記された地図が掲載されているので、マラソン好きは各ポイントでお目当ての選手を待ち受け、選手が通過すると地下鉄を利用して次のポイントへ先回りします。もちろん我々もそうするつもりでしたが、乗り込んだ電車が人身事故を起こして停まってしまいました。吊革につかまったまま貧乏ゆすりをしていたH君が「あー、もう間に合わんね。もう直接国立競技場へ行こう」と周りの人が振り向くくらいの大きな声を出したので、恥ずかしかったことを憶えています。電車が立ち往生していたのはせいぜい30分くらいでしたから、間に合わなくなった主な原因は彼の寝坊です。

さて、残念ながら地下鉄の1日乗車券を利用してマラソン選手の追っかけをすることはできませんでしたが、国立競技場前の迫力は凄いものでした。まず、ゴール直前のスパートをかけていることもあるでしょうが、40km以上走ってきたとは思えぬほどのスピード。選手達はあっと言う間に目の前を通り過ぎていきます。そして、選手達の汗。ジッとしていられない程の寒さなのに、各選手のこめかみや額には乾いた汗が塩になって白くこびりついています。あぁ、見に来て良かった、来年もまた見ようと思いました。

しかし、その年に私が大学に入ってからはお互い引っ越したこともあり、H君とは疎遠になりました。彼と会わなくなってからの私は現在に至るまで1度も陸上競技場に足を運んだことがありません。マラソン選手を地下鉄で追っかけるチャンスも失いました。H君は仙台の広告代理店に就職したそうですが、もう20年近く会っていません。

あれ?世界陸上について書くつもりが、横道に逸れ過ぎました。話を最初に戻します。

私は陸上競技の経験はありませんが、観るのは大好きです。でも、世界陸上の中継を観ていると不愉快になります。それは織田裕二のせいです。昨日、BSで女子ハイジャンプの決勝を見ました。2m02を跳んで金メダルを獲得した選手が世界記録の2m10に挑戦する時、織田裕二は「あー、これはお約束だから」と小馬鹿にしたような発言をしました。更に中井美穂が「皆さん、世界記録誕生の瞬間が見られるかも知れません」とか何とか盛り上げようとした時、奴は「ムリ、ムリッ」と斬り捨てました。もし私が桃太郎侍だったら「許さんっ!」と小鼻を膨らませ、押っ取り刀でスタジオに乱入するところでした。私が桃太郎侍じゃなくて命拾いをしましたね、織田裕二さん。アスリートに敬意を表さない人が総合司会を務めるべきではありません。

えー、それでは最後にひと言。世界64億の1位?仮に世界の人口が64億だとしても、陸上競技その他のスポーツに情熱を傾けられる人やそれを応援できる人って3分の1もいないっしょ?浮かれてんじゃねぇーよ!←怒りに任せて絡んでみました。

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Posted by 百紫苑(hakushon) at 18:14│Comments(0)独言
 
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