今、読んでいる本
「満州国は日本の植民地ではなかった」黄文雄著、ワック出版
我田引水というべきか、はたまた牽強付会というべきか。たった32ページ読んだだけで辟易している。少し長いが内容を一部引用する(『 』内が引用)。
『こんにち中国人は、この満州国を、“中国という国家から分離し建国した傀儡国家”という意味で「偽満州国」と呼んで非難している。さらに、満州は中国の絶対不可分な固有領土だ、とも主張する。だがこれは、インドがイギリスから独立した後、イギリスはインドの絶対不可分な固有領土である、とインド人が主張することと同じであろう』(同書P28)。
→これは『清朝時代の漢民族は、少なくともタテマエとしては満州人の臣下であった』(同書P28)という著者の言を受けているのだが、まず何よりも地続きか否かということを無視している。
『当時の列強の一つになっていた日本には、中華民国の内戦に介入する道義的責任があったのである。たとえて言うなら、アメリカがユーゴ連邦内で弾圧されるコソボに介入し、自治権を確立するのと同じ人道的介入なのだ』(同書P32)。
→「道義的責任」に「人道的介入」ねぇ…。大きなお世話じゃないのかな…。私は「春秋に義戦なし」と信じている。では、何故ヒトは戦争をするのだろうか?それは、ヒトが他者を殺すのが好きな動物だからということに尽きる。ヒトは腹が減っているわけでもないのに、他者を殺す動物である。そして、互いに絶滅するまで殺し合いを続けるだろうと、内なる自分を見つめて私は思う。これを山本夏彦の口真似だと言う人もいるだろうが、ただの口真似ではない。私は本気でそう思っている。
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